訳あり不動産の売り方

再建築不可の物件の売り方

内容の確認日: 2026年11月2日

再建築不可の物件は、売れます。ただし売り先によって、手元に残る金額も手間も大きく変わります。

この記事は、建築基準法の条文と不動産会社の公開記事をもとに、隣地への売却・仲介・買取の違いを表にまとめます。価格の目安が資料ごとにどう割れているかも並べます。個別の物件の判断は、建築士や不動産会社、弁護士などの専門家に確認してください。

再建築不可とは何か。条文で確かめる

再建築不可とは、今ある建物を壊すと、同じ場所に新しい建物を建てられない土地のことです。主な原因は接道義務です。建築基準法43条1項は、建築物の敷地は道路に2メートル以上接しなければならないと定めています。

古い木造住宅が並ぶ細い通り
写真: NevinThompson / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

ここでいう道路は、42条1項が幅員4メートル以上のものと定めています。特定行政庁が指定する区域では6メートルです。

幅員4メートル未満の道でも、建築基準法の規定が適用された時点で建物が立ち並んでいて、特定行政庁が指定したものは道路とみなされます(42条2項)。この場合は原則として、道の中心線から2メートルの線が道路の境界線とみなされます。6メートルの区域では、原則3メートルです。

例外もあります。43条2項は、特定行政庁が認定または許可した建築物には接道義務を適用しないと定めています。1号は、避難と通行の安全について省令の基準に合う幅員4メートル以上の道に2メートル以上接する建築物です。用途と規模も、利用者が少ないものとして省令の基準に合う必要があり、特定行政庁が支障がないと認めたものに限られます。2号は、周囲に広い空地があるなどの建築物で、建築審査会の同意を得て許可されるものです。使えるかどうかは土地ごとに違います。自治体の建築指導の窓口で確認してください。

売り先は三つ。隣地・仲介・買取の違い

売り先は、隣の土地の所有者、一般の買主を探す仲介、不動産会社が直接買い取る買取の三つです。

地面に埋められた境界標
写真: Osumi Akari / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

表は左右に動かして読めます。

売り先資料の説明注意点
隣地東急リバブルの記事は、接道義務は2メートルなので隣地をすべて買う必要はないとしています。2メートルに50センチ足りないなら、その分を買い足せば足ります。隣地の所有者と合意できなければ成立しません。測量と境界の確定、契約書、測量費や仲介手数料がかかります。
仲介CREXの記事は、市場価格に近い価格で売れる可能性があるとしています。買主探しに数か月から1年以上かかることがあります。仲介手数料が必要で、契約不適合責任は原則として売主が負います。
買取CREXの記事は、市場価格の6〜8割程度になりやすい代わりに、数日から1か月程度で現金化できるとしています。仲介手数料は通常かからず、契約不適合責任は免責されることが多いと説明されています。免責の有無は契約書で確かめます。

契約不適合責任は民法562条と566条に定めがあります。引き渡した物が契約の内容に適合しないとき、買主は修補などの請求ができます。種類や品質の不適合は、買主が知った時から1年以内に通知しないと、請求できなくなるのが原則です。ただし売主が不適合を知っていた場合や、重大な過失で知らなかった場合は別です。責任を負わないとする特約があっても、売主が知りながら告げなかった事実については責任を免れません(572条)。

価格の目安は、資料で割れる

再建築不可の価格を示す公的な統計は、確認できませんでした。以下は不動産会社の公開記事の数字です。各社の説明であり、実際の価格を保証するものではありません。

住宅地で進む建て替え工事
写真: Syced / CC0(Wikimedia Commons)
資料書かれている数字
東急リバブル(Lnote)相場の3割から7割で取引されているケースが多い。売主の事情で1〜2割で売りに出ている例もある。
CREX(不動産一括査定なび)土地は周辺相場の30〜50%程度。建物はほぼゼロとみなされることも多く、全体では相場から50〜70%減が目安。買取は市場価格の6〜8割程度。
GMO不動産査定買取は市場価格の7〜8割程度になることが多い。再建築不可に限った数字ではなく、一般的な買取の目安。

数字は資料によって大きく違います。CREXの記事の中でも、全体で50〜70%減という目安と、買取で6〜8割という目安が並んでいます。どの条件の数字なのかは、各記事で確認が必要です。

実際の価格は、接道の状況、建物の状態、立地で変わります。この記事では、特定の数字を相場として示しません。

買主が直して使うときの注意。建築確認の範囲

買主が建物を直して住む、または貸すつもりなら、2025年4月の建築基準法の改正も確認しておきたい点です。

川沿いに住宅が並ぶ東京の住宅地
写真: Ximonic (Simo Räsänen) / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

札幌市の案内によると、令和7年4月施行の改正で、いわゆる4号特例が縮小されました。2階建て、または延べ面積が200平方メートルを超える建築物(新2号建築物)は、構造関係規定などの審査が必要です。大規模な修繕や模様替えも、建築確認の対象になります。

この案内は再建築不可の物件に触れていません。直したい範囲に確認が要るかどうかは、物件のある自治体の建築指導の窓口で聞くのが確実です。

売る前に確認すること

売り先を決める前に、次の点を確かめます。

土地の測量に使うプリズムとトータルステーション
写真: Syced / CC0(Wikimedia Commons)
  • 前の道が、42条の道路にあたるか。役所の窓口で確認します。
  • 43条2項の認定や許可が使えそうか。使えれば、買主の見方が変わります。
  • 隣地に売るなら、測量と境界の確定が済んでいるか。
  • 買取の見積りが複数あるか。査定の根拠を説明してもらえるか。
  • 買取の契約書に、契約不適合責任の免責が書かれているか。
  • 税金は、売却の前に税理士へ確認します。

買取を選ぶなら、1社で決めず、複数社の査定を並べて比べてください。

出典

確認日: 2026年11月2日。法令や各社の記事は更新されることがあります。

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